真珠のお話② ご年齢にふさわしい真珠の選び方
昨日に引き続き、真珠の話を続けます。
半年ほど前にご質問をいただき、その時にシバタが思ったことを書いたものです。
「嫁いだ娘は30歳になったばかりなんだけど、もし嫁ぎ先の葬儀に参列する時はどの真珠を着ければ良いのかなぁ。娘には白とグレーのアコヤ真珠の両方が持たせてあるけど、グレーだと早いって思われるのかなぁ。無難なのは白だろうけど、やっぱりお悔やみの時はグレーの方がいいのかなぁ」
お悔やみだからグレーを着けていって「まだ小娘なのにぃ」って思われたりしないだろうか。
いやいや、
とりあえず白のアコヤを着けていけば大丈夫。そうしたら自分だけが白だった。。。なんてことになった。
私自身は未だ姑という立場になれておりませんので、こういうことに関して実感的に捉えることがイマイチできません。でも、実に悩ましい。。。それと、娘に恥をかかせたくない。。。親心はよく分かります。
こういう分からない時はお手本となる例を調べてみよう!やはりマナーに完璧なご家族といえば、畏れ多くも皇室の方々をおいて他にはいらっしゃいません。昨年お亡くなりになった秋篠宮紀子妃殿下のお父様川嶋辰彦氏のご葬儀の画像を見てみました。
紀子妃殿下と佳子様はジェットのジュエリーを着けていらして、真子さんは白いアコヤ真珠でした。皇室は服喪に際しては細かな決まりがあるようなので、お若くても佳子様はジェットのネックレス。もし真子さんも真子内親王様のお立場であれば、やはりジェットなのかなって思います。
お悔やみの席のマナーに関しては「冠婚葬祭のマナーブック」なるものがたくさん出版されています。いろいろ読んだり、ネットを見たりもしましたが
「大人の女性は黒の真珠で」
「お嬢様には白い真珠を」
このような文言が多くありました。
そうであれば、ある程度の年を重ねた大人の方は黒いやグレーの真珠ってことになり、お嬢さん的な年齢の方は白い真珠が良かろうということになります。(この、「ある程度」の大人やお嬢さん的が何歳になるのかは、これまたビミョウゥゥな感じで、ハッキリとキッパリと50歳と30歳が境目です!!と断言することはもちろん出来ません。このジェンダーレスな時代に、こんなことを書いても良いものかとも思ったりもします。黒い珠と白いアコヤを数字的にで区別するのか。それとも、例えば、おばあ様が亡くなって、娘は黒い珠で・孫は白い真珠ならバランスが取れるのか。この捉え方は個々で違ってくるのかなと思います)
ただ、
やはり、お悔やみの席では黒やグレーの真珠の方が、きちんとした印象を周りの方に持ってもらえるのは間違いのないことだと思います。お悔みに関しては、黒系の真珠の方が大人の女性としての品位やたしなみを醸し出してくれます。もちろん身なりで人間を判断することは正しいことではありませんが、装いが悲しみの気持ちを大きく語ってくれると思うのです。
じゃぁぁ、やっぱり「ある程度の年齢」からは黒系を着けた方が良いのかなってことになります。
ですが、私のような還暦過ぎた年齢でもお悔やみの席で白い真珠を着けることは、決して失礼なことでも間違ったマナーでもありません。お悔やみの席で気をつけるべきジュエリーのマナーは、真珠でも2連以上のネックレスはタブー。指輪は結婚指輪と真珠・ジェットの指輪以外は外す。ざっとこれくらいです。だからお嬢さん的な方がお悔やみの席で黒系のネックレスを着けることも問題はありません。きちんとしたおばあちゃんやお母さんに育てられた。そんな印象を持たれるんじゃないかなぁと思います。
ぶっちゃけトークで申し上げれば『お悔やみの席で真珠の色目に年齢制限は無い』のです。
ただ、人間には感情なるものがあります。(割り切れないもの、それが感情。。。だから難しい。冠婚葬祭の在り方が変わってきて、渡る世間の鬼も減ってきたのかなと思いますが、絶滅することはないですよね)
迷われた時は、思い切ってお義母様やご親戚にお聞きして悪目立ちをしないようにするのか。せっかく親が用意してくれた真珠だもん。やっぱり、これを着けていくと思われるのか。話の結びもニュアンス的ですが、その都度その都度でお決めになっていけば良いのではとシバタは思います。
明日は、コロナ禍も手伝い略式化していくお悔みの席。いわゆる家族葬の場合、どんな装いが相応しいのか。そんなことを以前にも書いたブログをもとに書いていきます。