8月のもう一つの誕生石『スピネル』
一昨年から新しく8月の誕生石に仲間入りをした
『スピネル』
以前、こちらの写真でサラっとご紹介しただけなので。。。どんな石なのか改めて書こうと思います。
まず『スピネル』を語るうえで必ず登場するのがイギリス王室の王冠
このイギリス王室の戴冠式用の王冠の真ん中にある赤い石、140ctの大きな石には「黒太子のルビー」という名前が付いております。ずっとルビーと思われていて、実はスピネルだったという逸話はあまりに有名ですね。
この石は14世紀にエドワード黒太子がスペインのカスティーリャ王から譲り受けました。その後、フランスとの百年戦争ではヘンリー5世が、この石をとり付けた兜を着けて戦ったそうです。戦の最中に兜をたたき割られましたが、本人とこの石は無事だった。そんなエピソードからもイギリス王室の守護石的な存在です。
ずっとルビーだと信じられてきたのは、ルビーとスピネルが赤い石だったこと。産出される場所もほぼ一緒だった。また当時は分析用の機械もなかった。そんな理由からのようです。
「ルビーじゃなくてスピネルだよ」って判明したのは18世紀に入ってから。
「えぇーーー」って思ったのか。あるいは「どっちでも良いじゃん」って思ったのかを妄想するのは(シバタの個人的な)楽しみでもありますが、こうして王冠に使われているということが全てを物語っているように思います。
こんなエピソードから、スピネルはルビーと紛らわしい。。。いまだにそんな印象を与えてしまいます。産地も限られ、産出量もルビーの1/10ほどしかありません。だけど輝きや色目はルビーにそっくり。そんな美しく珍しい宝石ではありますが、二番煎じ的なイメージを払拭できていないような気もいたします。またスピネルには青色・紫色・緑色などの色もあります。
スピネルの和名は尖晶石(せんしょうせき)
これは原石が尖がっているかところから名付けられました。
(画像、お借りしました)
だからって訳でもありませんが、シバタにあるスピネルの指輪を見ると「貴女だって、とってもキレイでステキだよ」って声を掛けてしまいそうにもなるワタクシです。