真珠のお話③ 喪の席が略式化していくなかでジュエリーのマナーはどうすれば良いのでしょうか

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2022/11/30                                    

真珠のお話③ 喪の席が略式化していくなかでジュエリーのマナーはどうすれば良いのでしょうか

本日も半年ほど前に真珠のことを書いたブログをもとに書きました。
話がそれますが、そのブログを書いた時はコロナ禍の規制がゆるんで「マスクを外では外しても大丈夫」というニュースが流れていました。あぁ、やっと終息していくのかなと思っていました。が!!あれから半年。。。。(綾小路きみまろ風で発音してます)何も変わっちゃいませんよ、奥さん。。。って感じですよね。

ですが、コロナ禍でいろんなものが大きく変化していきました。通信手段・買い物の仕方・お付き合いの仕方・・・・なかでもご葬儀に関しては家族葬という形が定着してしまったのかなと感じます。それに合わせて「もう身内だけだから、、、、」という考え方が出てくるのも当たり前のことかもしれません。ご来店いただくお客様からも、ご葬儀のお話を伺うことがありますが、誰しもが「もうね、ホントに簡単に済んだよ」こんなことを仰います。

「だからね、真珠のネックレスとかは着けかったんだわね」そんなことを仰る方もいらっしゃいます。

ですが、

「参列者が少ないとさぁ、どうしても細かいところにも目がいくよねぇぇ。ネックレスとか数珠とかさ」
「身内でも、こういう時はきちんとしていかんとねぇ」
このように仰る方もとても多いのです。

家族葬だから別に気張っていかなくても大丈夫なのか。いやいや、やっぱりキチンとしていった方が良いのか。あくまでもシバタの目線ですが、実際に私もコロナ禍の葬儀を経験して感じたことがあります。

まず、
そもそも、なぜ真珠のジュエリーをお悔やみの席で着けるのでしょうか。

ヨーロッパでは『真珠は身につける人の涙』と言われます。お悔やみの席では悲しみの涙。(またお祝いの席では喜びの涙とも言われます)ですから葬儀の時に涙を表現する装飾品として、最も相応しいジュエリーが真珠。この真珠を着けることで、より悲しみやお悔やみの気持ちが故人のご親族に伝わるように相手を思いやる気持ちを装いで表す。そんなことから真珠のジュエリーは悲しみのお席で、失礼がなく・身に着けるべきジュエリーになりました。(ジュエリーを着ける文化は和服で過ごしていた日本には、あまり無いものでした。明治維新から皇室が洋装を取り入れ、その時に皇室がお手本にしたのがイギリス王室でした。日本の洋装の然るべき時の服装と、それに合わせた装身具のルールの始まりと言われます。そこからフォーマルの礼服にジュエリーを合わせる習慣が一般的に広がっていきます。葬儀は礼服で参列するフォーマルな儀式です。真珠を喪服に着けるのは、見せびらかしではなくマナーに沿ったことなのです)

私事で恐縮ですが、昨年に老母を送った時に叔母や従姉妹たちが参列してくれました。コロナの蔓延防止中でもあり、十人にも満たない小さな葬儀でしたが、皆がきちんとした装いで送ってくれました。そのことを、実は自分でもビックリしてしまうほどに、私はとても有難く感じたのです。家族葬でも、忙しくても、コロナ禍でも、ざっくばらんな間柄でも、こうして参列してくれたんだなぁ。老母もさぞや嬉しかろう。。。
もし私がこういう仕事をしていなかったら、「親戚だけだし、まっ、いいか」ズボラなシバタは、きっと手を抜いた装いしかしなかったと思います。自分が取り仕切る葬儀を初めて経験して、参列するだけでは思いもしなかった感情が沸いてきたのです。
だから間柄が濃い・薄いに関係なく、どんな関係であっても、敬意を持って参列する。送る気持ちは人一倍あったとしても、それを表現する手立ては身なりを整えて参列すること。自分が思う服装ではなく、相手側を思いやった服装をする。これはお悔やみだけでなく、式典に参列するときの一番大切なマナーであり、たしなみというものなんだなぁ。そんなことを今、改めて思っています。だから告別式や法要がどんなに簡略化されても、マナーの基本に添った装いは簡略化してはいけない。私はそう思っています。

エリザベス女王の国葬を見ると、参列された王室の方々は地味なお色目の装いですが比較的自由な印象です。真珠も三連に巻かれていたり、金属の素材のネックレスだったり。日本ではちょっと有り得ないって感じです。近い将来、日本でも礼服もジュエリーも自由にカジュアルになってくるのかもしれませんね。(また一連の真珠のネックレスであっても、長めの真珠のネックレスは悲しみが長引くと言われていますのでお気をつけてください)

最後に、シバタが喪のお席にお勧めしたい真珠のネックレスを少し紹介させていただきます。

アコヤ無調色真珠(越物)

多くのグレーの真珠は、アコヤ貝を浜揚げした後に染色をされたものです。こちらのグレーの真珠は、アコヤ貝の中で自然にグレーになった真珠。柔らかいシルバーのような光沢は、『上品』という言葉でしか表現できません。控え目でありながら、しっとりと肌になじんでくれます。

黒蝶南洋真珠

黒蝶貝の南洋真珠は、黒い真珠の中で一番お問い合わせをいただきます。また結婚30年目の真珠婚式の記念のお品として、とても人気があります。アコヤ真珠に比べ大きさがあるので、セーターやシャツに合わせやすくカジュアル感があるのも人気の一つだと思います。真珠の黒は真っ黒ではなく、多くの色が混ざり合い独特の輝きを放ちます。グリーン系・ブルーやグレー、赤味のあるもの。お選びなる時は必ずご試着をしてみてくださいね。

真珠ではありませんが、ジェットのネックレス

皇室の方々が喪の席でお使いになるのがジェットです。エリザベス女王のご葬儀で雅子様が着けていらしたのが、このビクトリアンジェットです。ジェットは流木の化石です。真珠に比べると軽量で、着けた時に「ヒヤッとした冷たい感触」がありません。とても使いやすいネックレスです。

 

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